パソコン日記

あわただしく朝食をすませた高校生の次男を最寄り駅まで送ると、家内はおもむろにパソコンの前に座り込む。秋の風が心地よい10月の初め、ミュンヘンへと旅立った長男のブログが開かれる時間である。家内にとっては、お茶を飲みながらのこのわずかな時間が至福のときであるらしい。
大学院に進学した彼はしばらく前からホームページを立ち上げていて、飛行機で発つ直前まで携帯電話でブログを更新。乗り換え先の空港からは日本語フォントの入っていないインターネットカフェのPCを使ってまで英文で書き込んできた。一日として更新を怠らないその徹底振りは母にとっても息子を異国に送り出したことを意識させてくれないらしくパソコンを開くことで長男の留学生活を丸ごと追体験する毎日なのである。
ブログとはご承知の通りパソコン版の日記である。写真も貼り込め、しかも読んでくれた他人の意見やHPの案内までもが付いてきたりする。単なる日記のイメージではなくてまさに開かれた最新の情報伝達ツールなのである。送ってほしいと言われて郵送した品物は5日もかかって到着した。それでも早いほうだと驚かれるがインターネット上での意見や会話は電波にのって瞬時に海を超える。葉書や手紙の時代はとうに終わっていると実感せざるを得ない昨今なのである。

世界と関わる

産業や経済面での海外提携や国際化についてはすでに誰もが日々の生活の中で実感している。日頃愛用している家電製品は部品も含めて中国や東南アジア製がほとんどだし、衣類や食品や日用品にしても然り。
いまさら話題にすべきことなど本当に少ないが、身近なところでは私の職業である建築設計にも似たような話題がある。住宅や店舗、医院、旅館、公共建築と様々な設計を手がけてはいるがスタッフ5人ばかりで営む田舎の小さなアトリエ事務所である。そんな事務所ではあるが実は1年ほど前から設計図の製作では中国にある建築設計事務所と協同している。設計図の一部をお手伝いしてもらっているのである。残念ながら私個人は英会話もおぼつかないくらいだから今のところ中国語は全く駄目。それでも協力関係が成り立つということは相手が日本語を話し、書けるからに過ぎない。
しかし少々大げさかもしれないがこの関係は昨今の国際情勢的に言うと日本にとっては危険な関係ということにもなるらしい。大手企業の技術提携の実態を見れば明らかなように、これまでの日本にとって中国企業は日本の技術を使った製品作りにただ単に豊富で安価な労働力を提供してくれるだけの存在だった。しかしそうした関係の中で高度な技術を身につけた企業はすでに自国の資本で独自に起業するところが増えている。日本への優秀な留学生も目白押しである。中国や東南アジアを安価な労働力の供給源として、いわば利用してきたはずの日本企業にとっては、軒を貸して母屋を取られる勢いとも映る情勢なのだ。
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建築家/小見山健次
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子供たちには真の国際力を
子供たちの未来へのメッセージ
新春宣言-3
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